秋田県内陸部の大仙市大曲と北秋田市鷹巣を南北に結ぶ大曲鷹巣道路(国道105号、約120キロ)について、管理する秋田県が大覚野(だいかくの)峠区間(仙北市西木町上桧木内(かみひのきない)-北秋田市阿仁比立内(ひたちない)、14.3キロ)のトンネル化を検討していることが4日、分かった。最長3000メートル級のトンネルを4本整備し、急勾配や急カーブが連続する難所の解消を目指す。「最低でも300億円」(県道路課)という事業費の確保が課題になる。

 秋田県は2014年度、同区間を優先整備区間として指定。15年度から専門家を集めた技術検討会を開き、トンネル整備ルートの選定を進めてきた。
 技術検討会では、現在の105号に沿った南側ルートと秋田内陸縦貫鉄道沿いの北側ルートを比較。「各トンネルの完成後、それぞれ現道路に接続して順次使用できる」と判断し、南側ルートを選んだ。
 同区間には、大型車同士がすれ違うことができない急傾斜のヘアピンカーブもある。05年度以降に豪雨災害や雪崩などが14カ所で発生し、その都度全面通行止めとなった。迂回(うかい)路もない。
 県は、県内全域を周遊可能な「8の字」型の道路網整備を目指している。国道7、13、46号と秋田自動車道がつながる沿岸部や県南の道路網に比べ、内陸の中央部と北部を結ぶ道は大覚野峠区間がボトルネックになって分断されているとも言える状況。「6の字」と揶揄(やゆ)する声がある。
 トンネルによって内陸部の南北間の物流が活性化されれば、地域経済への波及効果が期待できる。105号や内陸縦貫鉄道沿いの渓谷などに、訪日外国人旅行者(インバウンド)を呼び込むチャンスも拡大する。
 ただ同区間の交通量は1日当たり約1000台(15年度)と少なく、トンネル化による費用対効果が低く算出される。このため県は17年度、仙北市や北秋田市などと利活用促進検討会議を結成した。
 県道路課の佐藤秀治課長は「技術検討会から示されたトンネルの概略ルートに基づき、地質調査などを行って整備に向けてステップを踏みたい」と話す。