福島県が5日発表した2019年度一般会計当初予算案は、昨年秋に再選した内堀雅雄知事の2期目初の編成となった。東京電力福島第1原発事故からの復興に加え、知事選の公約に掲げた人口減少対策にも目配りする予算になったと言える。
 復興に関しては道路網整備など公共事業費が4年ぶりに増加に転じた。国の復興・創生期間が20年度末に終了するのを見据え、原発事故で被災した沿岸部と内陸部のアクセスを向上させるなど、被災地の基盤強化を加速させたい狙いが見える。
 人口減少対策は、移住者に支援金を給付する事業のほか、高校卒業後の若者に対する県内での就労呼び掛けを強化する事業に9900万円を充てるなど複数の新事業を盛り込んだ。
 福島の人口減少は歯止めがかからない。18年の住民基本台帳人口移動報告では、転出超過が7421人で東北で最も多く、原発事故による住民避難が続く中、減少食い止めの困難さが浮き彫りになった。
 大きな課題の住民帰還の促進に関しては継続事業がほとんどで、手詰まり感も漂う。復興が目に見える形で示されなければ人口減はさらに続くだろう。
 内堀知事は19年度当初予算案を「復興・創生進化予算」と銘打った。「進化」を看板倒れにしないためにも、実行力と成果が強く求められる。(解説=福島総局・柴崎吉敬)

2019年度主要事業(単位・百万円)

市町村除去土壌搬出等支援事業108,131
復興再生道路整備事業36,405
産業復興企業立地支援事業15,079
ロボットテストフィールド整備等事業7,843
営農再開支援事業5,272
復興公営住宅整備促進事業5,207
避難市町村生活再建支援事業5,196
原子力災害被災事業者事業再開等支援事業3,862
農林水産物販売力強化事業2,090
事業継承等支援事業1,077