組織の壁を越えて技術や経営資源を組み合わせた新たな取り組みを表彰する内閣府の「日本オープンイノベーション大賞」で、最高賞の内閣総理大臣賞に弘前大COI研究推進機構のプロジェクトが選ばれた。地域住民の膨大な健診データを集め、幅広く活用していることなどが高く評価された。
 受賞したのは「超多項目ビッグデータで『寿命革命』を実現する健康未来プロジェクト」。弘前市岩木地区(旧岩木町)で2005年から、腸内細菌や内臓脂肪、唾液などの検査を含む2000項目にも及ぶ「健康ビッグデータ」を蓄積している。
 人工知能(AI)でデータを解析することで、認知症や生活習慣病などの発症予測モデルを構築しており、疾患の早期発見につなげる。青森県の産学官で取り組む「短命県返上」への強力な後押しとなることが期待される。
 13年には、文部科学省の革新的イノベーション創出プログラム(COI)の指定を受けた。現在、全国の50以上の企業や研究機関が連携し、ビッグデータを活用して健康関連の商品や事業の開発が進められている。民間投資は年間約3億円、経済効果は推計で約242億円が見込まれ、地域経済の活性化にも貢献する。
 COI研究推進機構の村下公一教授は「オープンイノベーションは日本の成長戦略の一つ。権威のある賞で最高賞を受けたことは名誉あること。短命県返上の取り組みが注目されることも意義がある」と話した。
 東北関係では、東北大などによる「リアルタイム津波被害予測システムの開発と運用」が総務大臣賞に、山形、宮城両県、仙台市で統合データベースを導入し、インフラの維持管理の情報基盤を整備した別の東北大グループが国土交通大臣賞に、それぞれ選ばれた。3月5日に東京で表彰式がある。