山形市諏訪町の「やまがた障がい者芸術活動推進センター ぎゃらりーら・ら・ら」には、障害者による色鮮やかなアート作品が並ぶ。コーディネーターの武田和恵さん(41)は「アートが障害者に対する社会の見方を変えていく」と信じて、多様な表現の場づくりに奮闘している。(山形総局・岩田裕貴)

◎ぎゃらりーら・ら・らコーディネーター 武田和恵さん(41)

 -「ぎゃらりーら・ら・ら」とは。

 「障害者支援施設などを運営する山形市の社会福祉法人愛泉会が、障害者の発表の場を確保するために2011年に開設しました。その後、山形県の補助金をもらって現在の推進センターとなりました」

 -仕事の内容は。

 「主に企画を担当し、障害者の絵や書などの作品を中心に集め、展示を行っています。県内各地で障害者アートの企画展や絵や書などのワークショップも開催しています」

 「これまで単なる落書きと見られていた障害者の絵でも、新たな視点を持つことで価値観が変わり、芸術として捉え直すことが可能になります」

 -障害者アートに携わるようになったきっかけは。

 「大学在学中、アートとケアの視点から多彩なプロジェクトを実施している奈良市の財団法人たんぽぽの家でボランティアをしました。その時に障害者アートを初めて見て、興味を持ちました」

 「山形市の福祉施設に勤務後、たんぽぽの家に転職したのが縁で、東日本大震災の被災地支援プロジェクトにも参画することができました」

 -どんな活動をしましたか。

 「津波被害に遭った宮城県山元町を訪れました。支援事業所の利用者が描いたイチゴの絵をあしらった手拭いの開発、販売支援などを手掛けました」

 「その際、障害者が描いた絵から商品構想を練るデザイナーと福祉施設をつなぐ役割を担いました。福祉とアートは互いに専門性が高いので、両者をつなぐコーディネーターの重要性を実感しました」

 -障害者アートの意義は。

 「障害のある人は地域社会で『できない人』『問題のある人』と思われがちです。でも、独特の感性などが個性や表現の一つとして捉え直され、価値を見いだされることが、障害者自身の生きやすさにつながります。被災地での経験を生かし、表現の場を増やしていきたいと思います」

 たけだ・かずえ 1977年山形市生まれ。東北芸術工科大卒。市内の障害者福祉施設で10年間働き、たんぽぽの家を経て2018年6月から愛泉会勤務。