福島県立医大などは15日、県内6病院と連携し、病理画像の遠隔診断と人工知能(AI)診断に取り組むと発表した。県内の慢性的な病理医不足に対応するためで、病理診断をAIが補助する実験は全国で初めて。25日にスタートする。
 6病院は福島赤十字病院(福島市)太田西ノ内病院、星総合病院、総合南東北病院(いずれも郡山市)竹田綜合病院、会津医療センター(ともに会津若松市)。
 遠隔診断は、各病院が患者の病理組織をスキャナーで読み込み、デジタル画像を日本病理学会(東京)のクラウドに送信。県立医大の病理医が画像を拡大するなどして診断し、結果を病院に伝える。
 AI診断は胃の検査で実験的に活用する。日本病理学会(東京)が収集する11万件の画像データを基に、送られた画像が胃がんかどうかをAIが調べる。あくまでダブルチェック用で、最終的には病理医の診断結果が優先される。
 福島県は病理医不足が深刻で、人口10万当たり全国ワースト2位の1.27人。高齢化も進行し、平均年齢60.6歳も全国ワースト2位になっている。事業に参加する6病院の大半が病理医1人で業務をこなしており、負担の軽減が課題だった。
 県立医大医学部病理病態診断学講座の橋本優子教授は「複数でチェックすることで1人の負担を減らし、若い病理医のフォローにもつなげたい」と話した。