フィギュアスケートの世界選手権は20日にさいたまスーパーアリーナで開幕し、5年ぶりの自国開催の日本勢が男女同時優勝を目指す。19日に公式練習が行われ、男子は右足首故障から約4カ月ぶりの復帰戦となる冬季五輪2連覇の羽生結弦(ANA、宮城・東北高出)が初練習し、記者会見で「(状態は)100パーセント。素直に勝ちを取りたい」と2年ぶりの世界一を見据えた。21日にショートプログラム(SP)に臨む。

 右足首の負傷明けでも、羽生には余裕があった。4回転ジャンプは高確率で成功。時にはおどけてふらつき観客の笑いを誘う。「完治はしていないが、試合に出られる状態になった」。昨年11月のロシア杯以来の実戦を控えるとは思えない、柔らかな表情だ。
 曲かけ練習はショートプログラム(SP)の「秋によせて」。冒頭の4回転サルコー、続くトリプルアクセルを流れるように着氷。4回転-3回転の連続トーループは、回転が抜けて単独になったが、すぐに修正。曲かけ後に改めて連続ジャンプを決めてみせた。
 フリーで組み込むとみられる4回転ループも難なく跳んだ。今回同様に右足首の負傷で4カ月のブランクがあった平昌五輪はループを回避して優勝した。しかし、「今回はループも跳ばなくてはいけないという使命感が強い」。2~3週間前にようやく50本中1本程度成功という状態から、「ループに耐えられる筋力を付けるよう努力した」。
 終盤には4回転トーループ-トリプルアクセルの大技も披露し、歓声を浴びた。「調子どうこうは別」と慎重に前置きしつつ、「やりたかったことが達成できたという意味で、感覚良く滑れた」と手応えを語る。
 平昌と比べても、足の具合は良さそうだ。試合勘の不足も、平昌の熱演を振り返れば、問題にならないのだろう。「勝つことは一番大切。相手にだけでなく、自分にも勝つ」と宣言した。五輪王者の風格をまとっていた。(佐藤夏樹)