政府の原子力災害現地対策本部は26日、東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町の一部地区の避難指示を4月10日に解除することを、町と県に提案して合意した。第1原発が立地する同県双葉、大熊両町で初の解除となる。安倍晋三首相を本部長とする政府原子力災害対策本部が今後、正式決定する。
 解除対象は大川原(居住制限区域)と中屋敷(避難指示解除準備区域)の両地区。面積は町全体の約40%に当たるものの、住民登録は計140世帯374人(2月末現在)と町全体の3.6%にとどまる。
 昨年4月に始まった長期滞在が可能な準備宿泊には21世帯48人(今月19日現在)が登録する。大川原には東電の社員寮があり、廃炉作業に携わる約700人が特例として既に居住する。
 会津若松市の町役場会津若松出張所であった協議には、経済産業副大臣の磯崎仁彦現地対策本部長、渡辺利綱町長、鈴木正晃副知事らが出席した。
 終了後、磯崎氏は「解除要件が満たされ、一日も早い解除を望む町の意向を踏まえた」と説明。渡辺町長は「復興の第一歩。町の一部だが、全町帰還の呼び水にしたい」と話した。町は追加除染の徹底、避難する町民の生活支援の継続などを国に要望した。
 大川原地区にほぼ完成した町役場新庁舎は4月14日に開庁式を行い、大型連休明けの5月7日に業務を始める。新庁舎東側には6月1日入居開始の災害公営住宅50戸なども整備される。