山形県選出の国会議員は5人中3人が女性なのに、県議選(7日投開票)の女性候補は定数43に対し、わずか5人しかいない。全国で最も高い3世代同居率や投票率の男女格差などが要因として、しばしば取り沙汰される。女性が国会議員にはなれても地方議員になれない「山形の謎」について、女性国会議員3人に聞いてみた。(山形総局・吉川ルノ)

<加藤氏 家庭人の役割進出阻害か>
 「(女性を)家事、育児や介護の担い手とみなす意識や慣習が主な要因では」とみるのは、加藤鮎子氏。
 山形県の3世代同居世帯率(2015年国勢調査)は17.8%で全国1位。県などの調査では、親と同居したり近所に住んだりしている世帯の男性ほど、家事、育児の参加時間が短いといったデータもある。
 加藤氏は「3世代同居が成り立つのは、女性が献身的な家庭人の役割を期待され、それを受け止めているからこそ。そのことが女性の政界進出を阻んでいる可能性がある」と指摘する。

<舟山氏 周囲の目意識抑制的に?>
 国会議員と地方議員とでは、地域社会との距離感が異なるとの声もある。
 舟山康江氏は「国会議員は平日、東京にいる。常に地元で暮らす地方議員と違い、周囲も本人も(仕事と生活を)割り切って考えられる」と話す。家族や周囲の目を意識し、言動が抑制的になっている可能性が高いという。
 山形の女性国会議員は、大沼瑞穂氏を含め3人とも首都圏育ちだ。世襲議員の加藤氏以外は、政党主導で国政選挙に擁立され、政界入りしている。選挙が政党中心になっているかどうかも鍵になりそうだ。
 埼玉県出身で元農水省官僚の舟山氏は、かつて上司だった旧民主の有力議員に見いだされ、夫の地元である山形県から参院選に担ぎ出された。

<大沼氏 政権奪還女性必要だった>
 一方、大沼氏は父親が山形市出身で、曽祖父は山形市長を務めた人物。10年参院選で、東京財団研究員から自民県連の候補者公募に応募し、次の13年参院選に立候補することになった。
 大沼氏は「10年参院選の当時、自民は野党。現職がベテランの男性だったこともあり、政権奪還には女性や若者の支持が必要だという党の認識があったのだろう」と振り返る。
 政党がイメージ向上のために熱心にならなければ、女性の擁立はなかなか進まない。個人の地盤、看板、かばんがものをいう地方議員選挙では一層、女性の立候補はハードルが高いと言えそうだ。
 女性の有権者意識にも課題はある。13年以降の国政選と都道府県議選の計5回で、山形県の女性の投票率は男性よりも4.58~1.76ポイント低く、男女差は全国で新潟県に次いで2番目に大きかった。
 男性に偏った議会は、将来に大きな禍根を残す恐れもある。大沼氏は「女性議員が昔からもっとたくさんいたら、ここまで深刻な人口減少社会になる前に打てる手もあったのではと感じている」と話している。