小学5年の夏から3年半余り。同級生の2人が、大好きなフルートで奏でてきた楽曲数と舞台数は共に約70に上る。聴衆は地域のお年寄りや子どもたち。ボランティア演奏で幸せな時間を届け、自分たちも温かい気持ちになってきた。

 この春、中学3年になった米沢市の早坂菜摘(なつみ)さん(14)と平璃々子(りりこ)さん(14)。2人のあだ名から「ナッツ&リリー」と名乗り、市内の福祉施設や保育園などで演奏を重ねてきた。

 同じ小学校の吹奏楽クラブで親友同士。時間さえあれば楽器をいじる2人の姿に、平さんの母で介護福祉士のさおりさんが施設での演奏を勧めた。

 初演奏は終戦記念日だった。まだつたなかった2人の演奏に、涙を流し喜んでくれた高齢者がいた。「とても悲しい日に、あなたたちが幸せを届けてくれた」

 以来、クラブや部活の合間を縫って活動してきた。「偉くも特別なことでもない。私たちの演奏で楽しんでもらえたらうれしいだけ」。2人は口をそろえる。

 節目の春。受験生となり、部活も今年が最後。「忙しくなるけど、これからも続けていきたい。だって、楽しいんです、本当に」(米沢支局・相原研也)