山形県最上町出身のタレント、ケーシー高峰さん(85)が死去した。お色気混じりの軽妙な医事漫談で一躍人気者になり、映画、テレビドラマの名脇役で確固たる地位を築いた。折々に足を運んだ古里や、ついのすみかとなった地でも別れを惜しむ声が上がった。
 最上町の高橋重美町長は「けさのニュースで知り、大変ショックを受けている。笑いを通じて町民にたくさんの元気を頂いた。心からお悔やみ申し上げたい」と話した。
 ケーシーさんの母で、医師として戦前から長く町の医療に尽くした故門脇シヅエさん(1998年、99歳で死去)は名誉町民。高橋町長は「親子2代にわたり、最上町のために頑張っていただいた。本当に感謝している」と神妙な面持ちで語った。
 ケーシーさんは2011年6月、地元商工会が催した東日本大震災復興イベントで町に招かれ、昔なじみの人たちを前に最上弁を交えた漫談を披露。故郷を応援してほしいと、町から「絆大使」に委嘱され、快く引き受けたという。
 当時スタッフだった旅館業高橋治さん(42)は「年齢を感じさせない切れのある芸が印象に残っている。(スタッフに対しても)とても協力的で生まれ育った町への愛着が伝わってきた」と人柄をしのんだ。
 ケーシーさんはいわき市に住み、市応援大使の一人として震災や東京電力福島第1原発事故以来の風評払拭(ふっしょく)など市のイメージアップに貢献した。昨年は地域包括ケアへの理解を広げる市のイベントに2回出演。医事漫談で医療福祉の知識を面白おかしく伝え、会場を沸かせた。
 最後の出演となった昨年9月は、酸素補助のチューブを鼻に入れた状態でステージに上がった。担当した市地域包括ケア推進課の猪狩僚企画係長(41)は「老いたり病んだりしても自分らしく生きようと、舞台上の姿で示してくれたと感じた。今年の出演を相談しようと思っていただけに本当に残念です」と惜しんだ。