桜田義孝前五輪相の辞任から一夜明けた11日、東北の与党関係者からは夏の参院選や地方選への影響を懸念する声が相次いだ。改選を迎える参院議員の任期満了まで4カ月を切った時期での失言による辞任劇。野党は敵失に勢いづき、政権批判を強めた。
 参院選の東北6選挙区のうち、秋田を除く五つを「激戦区」に定める自民党。1勝5敗だった前回の惨敗からの巻き返しを期していた最中に、身内の舌禍が飛び火した。
 「更迭は当然の判断。選挙への影響は避けられないだろう」。自民宮城県連の石川光次郎幹事長は焦りをにじませ、「選挙も五輪も機運を高める大事な時期なのだが。気を引き締めたい」と語った。
 自民福島県連の太田光秋幹事長は「発言は誠に遺憾。政府には気を引き締めて復興に臨んでもらいたい」と強調した。
 自民と連立を組む公明党の庄子賢一宮城県本部代表は「消費税率の引き上げも間近に迫る。われわれは襟を正さねばならない」と言い聞かせた。
 5日には道路整備を巡る「忖度(そんたく)発言」で国土交通副大臣が辞任したばかり。夏決戦を見据え、野党関係者は「安倍政権の緩みとおごりが原因だ」と批判のボルテージを上げる。
 自由党岩手県連の関根敏伸幹事長は「個人の責任で終わらせてはいけない。内閣全体の気の緩みが招いた」と首相の任命責任に言及。社民党秋田県連の石田寛代表は「自民は数にあぐらをかき、緊張感を欠いている」と指摘した。
 参院選で野党統一候補擁立が決まっている山形選挙区。立憲民主党県連の石黒覚代表は「選挙戦では各党、組織の力を結集し、安倍内閣の退陣を訴えていく」と息巻き、野党共闘への意欲を新たにした。
 「大臣辞任で解決にはならない。有権者は見逃さない」と言い切るのは国民民主党宮城県連の須藤哲幹事長。共産党青森県委員会の畑中孝之委員長も「前五輪相をかばい続けた安倍首相には、選挙で厳しい審判が下される」と力を込めた。