「いしまきし」「(五輪関連予算)1500円」と迷言を連発していた桜田義孝前五輪相が、「復興以上に大事」失言で降板させられた。東北のご意見番が口をそろえるのは、復興五輪の司令塔としての自覚のなさや政権のおごり。東京五輪・パラリンピックまで1年3カ月に迫る中での退場を、あきれ顔で見送った。

 「まずもって軽い。軽さをしまい込めないから問題発言をしてしまう」
 任命した安倍晋三首相と共に「深みがない」と切って捨てたのが、秋田市の詩人・エッセイスト、あゆかわのぼるさん(80)。最大被災地の石巻市を「いしまきし」と3回間違えた国会答弁を「被災地を知らず、知ろうともしていなかったことを物語っている」。
 青森市のタレント、伊奈かっぺいさん(71)は一連の発言をこう総括する。
 「受けを狙ったジョークのつもりだろうけれど、自分の立場ではジョークが成り立たないことを分かっていない。だけど、桜田さんは若者に夢を与えた。『こんなのでも大臣になれるんだ』という意味でね」
 「はじめての福島学」の著書がある開沼博・立命館大准教授も、被災地を地盤とする自民党衆院議員を「復興以上に大事」と持ち上げた大臣発言を「議員の先にいる住民の顔が見えていない」と看破した。
 「現政権のおごり、高ぶりを映し出した」と長井市のフォークグループ「影法師」メンバーの農業遠藤孝太郎さん(66)。釜石市の住職都築利昭さん(49)は「国民を助け、国を良くするのが務めなのに…」と怒りが収まらなかった。
 桜田氏の後任には、昨年10月に五輪相を退いたばかりの鈴木俊一氏(衆院岩手2区)が再登板する。
 植樹活動に取り組む気仙沼市のNPO法人「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さん(75)は「どの大臣だって単なる飾り物。だが、鈴木さんが再登板するのだから結果的に良かったのではないか」と皮肉った。