東京電力は15日、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールから核燃料の取り出し作業を始めた。炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機で、取り出しが始まったのは初めて。がれき撤去や機器の不具合が重なり、当初計画に比べ4年4カ月遅れのスタートとなった。

 プールは原子炉建屋の上部にあり、廃炉を進める上で大きなリスク要因になっていた。搬出作業は午前8時50分ごろに開始。水深が12メートルあるプールに遠隔操作で燃料取扱機を下ろし、未使用の核燃料1体(約250キロ)をつかんだ。

 持ち上げた後、プール内を10メートル弱移動させて専用の輸送容器に収めた。一連の作業時間は約1時間。同様の作業を繰り返し、15日は4体を容器に移した。

 3号機のプールには使用済みと未使用の燃料が計566体ある。このうち今回は取り出しやすい未使用の7体を先行して搬出する。16日以降に残る3体を容器に入れ、計7体を敷地内の共用プールに移動させる。本格的な搬出作業の着手は7月以降になる見通しで、2020年度までに完了させる。

 メルトダウンがなかった4号機は14年に燃料搬出が完了したが、水素爆発した3号機は建屋が大きく損傷。放射線量が高くがれきの撤去が難航したほか搬出に使う装置などに不具合が相次ぎ、14年末を目標としていた搬出計画は幾度となく延期された。

 福島第1原発の磯貝智彦所長は取材に「初めての遠隔操作であり、準備に時間がかかった上に皆さまに心配をおかけしたことは申し訳ない。安全第一が重要と考えており、焦ることなく廃炉作業を進めたい」と話した。

 福島県の内堀雅雄知事は15日の定例記者会見で「廃炉の重要な工程であり、東電には安全、着実に作業を進めてほしい」と語った。

 東電は、同様にプールに燃料が残っている1、2号機からの搬出開始は「23年度めど」とみている。