店舗面積が6000平方メートル以上に及ぶ大規模小売店舗の出店数(2012~18年度)が、東北では福島県が最も少ない2件にとどまることが県の調査で分かった。大型店の出店を規制する県商業まちづくり推進条例の影響が大きいとみられ、県は基準店舗面積の拡大も含め検討を進めている。
 東北各県と福島隣県の大型店の出店状況は表の通り。1000平方メートル以上の大規模小売店舗に占める6000平方メートル以上の割合は福島で4.0%にとどまり、岩手(19.6%)や宮城(14.3%)を大きく下回る。
 福島は5000平方メートル以上で見ると9件となり、全体に占める割合(18.0%)は栃木(12.2%)や山形(14.6%)、新潟(17.7%)を上回る。県商業まちづくり課は「条例による届け出を避けるため、規模や機能を縮小して出店しているのではないか」と分析する。
 条例は大型店の立地抑制につながる一方、仙台や栃木・那須といった隣県への消費の流出を招いている可能性もあり、県は影響を注視する。
 県によると主に30、40代女性の県外での購買割合を示す「県外流出率」は、1994年度の0.8%から2016年度は4.1%に上昇。17年度の県政世論調査でも、20代の29.8%が県外へ買い物に月1回以上行くと回答した。県は、洋服や高級品など日用品以外を求めて県外に出る人が多いとみている。
 公共交通網の発達も県外流出に拍車を掛ける。高速バスの福島発仙台行き(片道1時間10分)は1日当たり多い日で27便あり、往復料金2000円。運行する福島交通の関係者は「特に土日は仙台への買い物に利用する人が多いようだ」と話す。
 県は本年度中に開く県商業まちづくり審議会で、基準店舗面積の見直しについて方針を示す考え。拡大にも含みを残すが、緩和すれば郊外型ショッピングセンターの乱立を招く恐れもあり「消費者と商工関係者の双方の意見を踏まえて適切に判断する」(県商業まちづくり課)と慎重姿勢を崩さない。

[福島県商業まちづくり推進条例]まちづくりへの影響が広域に及ぶ店舗面積6000平方メートル以上の大型店を中心市街地に誘導し、郊外などへの出店を抑制する。2006年10月施行。条例に基づく手続きを経て出店した新設大型店は現在、18年6月開業の「イオンモールいわき小名浜」(いわき市)のみ。もう1件は既存店舗を活用した。