岩手県久慈市山形町が、国内最大のシラカバ群落に着目して商品開発や観光客誘致に取り組んでいる。地元企業などで結成した平庭高原「森の恵み・白樺(しらかば)の一滴」活用推進協議会は、「交流人口の拡大や若者が働く場所を生み出したい」と意気込む。
 国道281号沿いの約4.5キロに天然のシラカバ31万本が連なる山形町の平庭高原。群落は岩手県立自然公園に指定され、町域の約9割を占める山林にもシラカバが多く自生する。
 協議会は2014年の発足以来、飲料水、化粧品などの関連商品を開発してきた。中でも樹液を瓶詰めした飲料水「白樺樹液」(400円)は年間5000本を売り上げる人気商品だ。
 協議会が研究機関に依頼した成分分析によると、シラカバの樹液には疲労回復や美肌の効果があるという。地域住民でつくる白樺樹液採取組合の代表柳平(やなぎたい)勝良さん(67)は「地元では昔から栄養剤として飲んできた」と話す。
 樹液を採取できるのは雪解け直後の3月下旬~4月下旬。今年は例年より遅く、4月上旬から採取が始まった。
 幹に銅管を打ち込んでチューブを取り付け、染み出た樹液を集める。柳平さんは「人手があればもっと生産できるし、需要にも応えられる」と意欲的だ。
 近年は教育旅行の受け入れも好調。久慈市などが出資する第三セクター平庭観光開発が運営する宿泊施設「平庭山荘」は2018年度、全国の中学校や高校計約20校が利用した。
 平庭観光開発社長で協議会長でもある下舘満吉さん(66)は「シラカバ林を『初めて見た』などの声が寄せられる。シラカバで山形町を人が集まる元気な場所にしたい」と語る。