久慈琥珀(こはく)博物館(岩手県久慈市)は19日、久慈市小久慈町にある白亜紀後期(約9000万年前)の地層から、肉食恐竜「ティラノサウルス類」の歯の化石を発見したと発表した。宮古高通信制4年門口裕基さん(18)=宮古市=が昨年6月、同博物館の採掘体験場で発掘した。国内で白亜紀後期のティラノサウルス類と判明した化石は初めて。分析した早稲田大は8月、大規模な発掘調査に入る。(28面に関連記事)
 早大で19日、門口さんと鑑定した平山廉教授(62)=古生物学=が記者会見した。歯の化石は上顎前方左側に3本あるとされるうちの1本の先端部で、長さは9ミリ。体長は約3メートル程度と推定される。
 門口さんは高校の遠足で採掘体験をしていた際に発掘した。「ティラノサウルス類と聞いて驚いた。恐竜にますます興味が湧いた」と振り返った。
 平山教授によると、歯の断面がD字型で舌側面の中央部が隆起するなどティラノサウルス類の特徴がある。白亜紀後期の化石の発見例は世界的に少なく新種の可能性がある。
 ティラノサウルス類は、ジュラ紀から白亜紀前期(1億6500万年前~1億年前)のプロケラトサウルス科や白亜紀後期(1億年前~6600万年前)のティラノサウルス科など約30種類に分類される。国内では白亜紀前期の歯の化石が3点確認されている。
 平山教授は「手や足の骨が発掘できれば、新種として証明できるかもしれない。進化の過程の空白期を解明する手掛かりになる」と話した。化石は久慈琥珀博物館で21日から8月19日まで公開する。

[琥珀採掘体験場]久慈市小久慈町の久慈琥珀博物館から北東約300メートルにある大沢田川支流沿いの国内唯一の琥珀採掘体験場。白亜紀後期の「久慈層群玉川層」が分布し、絶滅したカメ類「アドクス」のほぼ完全形の甲羅や小型草食恐竜の腰骨(ともに2008年)、大型草食恐竜の歯(12年)など約20種の脊椎動物の化石約1800点が見つかっている。