在位中、天皇陛下は皇后さまと共に東北を訪れ、地方に根を張る人々を見守ってこられた。県ごとの訪問は計31回。いずれの訪問先でも、思いやりに満ちた姿が地域を包み込み、温かい言葉が人々を励ました。各県の主な訪問状況を振り返る。
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◎頑張っていますね(2007年、支援学校視察で)

 2007(平成19)年9月、天皇陛下は第62回国体出席のため秋田入りし、大仙市の県立大曲支援学校を視察された。牛乳パックを使ったはがき作製の作業を見守り、「頑張っていますね」とねぎらった。
 この月、秋田では県北が豪雨に襲われていた。知事による県勢報告の際、現地の被害程度について質問するなど、被災地を思いやった。
 即位後初めての訪問となった1997年10月には、皇后さまと共に秋田市内の県総合食品研究所、横手市の文化施設「秋田ふるさと村」などを見学した。
 ふるさと村の工芸展示館では、樺(かば)細工について「いつごろから作られているのですか」と起源を尋ねた。視察途中には一瞬コースを外れるアクシデントがあり、人垣に歩み寄って声を掛けるシーンも見られた。
 最後の訪問となった2008年6月14日には、死者17人、行方不明者6人を出した岩手・宮城内陸地震が発生した。
 皇居出発前、侍従長を通じて「(地震の)災害対策を優先してほしい」との気持ちを県に伝えるなど、被災地への配慮を見せた。地図で現地を確認するなど心配した様子だったという。