秋田市の育児サークル「CHERISH(チェリッシュ)」が法人化し、小規模保育事業所のチェリッシュ保育園を4月1日に開園させた。育児中の母親が自ら運営する保育園は全国でも例がないという。代表の加藤未希さん(32)は、カフェや体験教室も充実させ、育児に悩みがちな母親たちに笑顔の輪を広げる。(秋田総局・鈴木俊平)

◎チェリッシュ保育園代表 加藤未希さん(32)/育児中に趣味や資格生かせる場所を提供したい

 -法人は育児サークルが母体なのですね。
 「ママ友3人と2012年に設立し、会員は現在20人です。ヨガやフィットネスの教室を開き、奇数月には子育て情報を詰め込んだフリーペーパーを1万部発行。母親が取材したりモデルになったりして、育児に役立つ情報を届けます」

 -どのような保育園ですか。
 「秋田市茨島のスポーツ施設の敷地内にあったテナントを改装しました。0~2歳児を預かる定員19人の小さな園です。9人の保育士はサークル会員のほか、過去のイベントに参加してくれた母親たちも担ってくれています」
 「建物の2階ではカフェ兼サロンの運営などもしています。料理のメニューや内装は全て一から考えました。親子で気軽に立ち寄れる空間を演出できればと思っています」

 -なぜ保育園を開設しようと考えたのですか。
 「育児に目いっぱい時間を取られ、特別な資格やスキルを生かせない母親が多くいました。『ママになっても楽しめることはある』と思い、託児所が近くにあればという発想に行き着きました」

 -設立までの苦労は。
 「22歳で出産した私は社会経験が少なく、経営の知識もゼロ。サークル活動を通して出会った商工会や行政の方々に何度も相談を重ね、独学しました。多くの人の思いに支えられた手作りの保育園です」

 -地元企業と連携した企画に力を入れています。
 「スポンサーとして運営を支えていただき、共同イベントを開いています。企業にとっては若い世代に直接アプローチできる利点があり、母親も普段は触れる機会が少ない情報を得られるチャンスになります」
 「秋田市で3月に開いたキッズフェスには約3500人が来てくれました。プロのスポーツチームや飲食店、英会話教室などさまざまな分野からの支えが育児を充実させると実感しました」

 -今後の目標は何ですか。
 「育児中の母親が趣味や資格を生かせる場所を提供したいと思っています。託児機能を充実させるための学童保育所新設など夢は膨らみます。子どもの成長を見守り、母親たちの人生も潤すような園にしたいです」