釜石市平田の尾崎半島で起きた大規模山林火災から2年がたった。現地では被災木の伐採や再植林のための地盤整備が進んでいる。作業を担当する釜石地方森林組合は「森の復活に手を貸してほしい」と植林ボランティアの募集を続けている。
 火災は2017年5月8日に発生し、1週間後の15日に鎮圧を確認した。焼失した413ヘクタールのうち天然林や断崖を除く258ヘクタールが復旧の対象で、国と岩手県、市が事業費9億9100万円を負担する。
 昨年度までに約120ヘクタールの地盤整備を終え、約40ヘクタールで再植林を実施した。植林は21年度までに全てを終える計画だが、被災前の山林に戻るには40~50年かかるという。
 現場は急傾斜地が複雑に入り組むリアス海岸特有の地形で、作業は人力に頼る部分が大きい。シカの食害も深刻で、防護網を13.2キロにわたって設置した。
 被災木は釜石鵜住居復興スタジアムの観客席や三陸鉄道の駅舎ベンチなどにも活用された。ただ、利用可能な部分は徐々に減っており、販売価格の低下が懸念されている。
 森林組合は、林業の理解拡大にも役立つと植林ボランティアの受け入れに積極的だ。昨年度は延べ193人が約4000本を植えた。本年度は個人を対象にした植林会を6月2日と同15日に開く。5人以上の団体は随時受け付けている。
 高橋幸男参事は「植林は次世代に豊かな自然をつなぐ作業。成長を長年確認できる楽しみもある」と説明。建材、家具など被災木の利用も呼び掛けている。連絡先は釜石地方森林組合0193(28)4244。