東北の地方銀行、第二地銀11行2グループの2019年3月期決算が15日、出そろった。純利益は総計468億円で前期(554億円)を下回り、前期と同じく9行2グループが減益となった。人口減少や日銀のマイナス金利政策に伴う資金利益の縮小が続く中、大幅に増えた与信関連費用が収益を圧迫した。

 各行の主な決算内容は表の通り。福島銀は前期純損失から黒字転換した。連結純利益が増加したのは東北銀のみ。本業のもうけを示すコア業務純益は各行で有価証券利息配当金の減少が響き、7行2グループで減益となった。
 山形銀の長谷川吉茂頭取は「マイナス金利が改まらない限り収益は出ない」と言及。赤字を脱した福島銀の加藤容啓社長は「投資信託や保険販売関連の手数料収入が増益につながった」と振り返った。
 与信関連費用の合算は前期比179億円超の大幅増となり、荘内銀(鶴岡市)と北都銀(秋田市)を傘下に持つフィデアホールディングス(HD、仙台市)と東北銀、福島銀を除く全てで増えた。大口取引先の倒産による不良債権処理や、景気後退に備えた貸倒引当金の積み増しが押し上げた。
 みちのく銀(青森市)の藤沢貴之頭取は「業績の悪化した貸出先が多かった」と語った。企業景況感について、東邦銀の北村清士頭取は「東日本大震災から8年がたち、補助金の打ち切りなどで潮目を迎えている」と述べた。
 七十七銀や青森銀などは一般貸倒引当金の基準を見直し、景気後退に備えた。北日本銀(盛岡市)の柴田克洋頭取は「先行きの景況感などから保守的に引き当てた」と明かした。
 一方、仙台銀の鈴木隆頭取は「中小企業貸し出しを積極的に伸ばしているので、ある程度は仕方ない」と指摘。秋田銀の新谷明弘頭取は「ランクダウンした企業の経営支援を強化する」と力を込めた。
 20年3月期の連結純利益は全行・グループが黒字と予想したが、うち8行1グループは減益を見込む。
 今後の収益性向上について、フィデアHDの田尾祐一社長は「組織の効率化による経費削減をさらに進めたい」と強調。大東銀(郡山市)の鈴木孝雄社長は「事業承継支援を地道にやる。地方の疲弊をストップさせるのがわれわれの役目だ」と決意を新たにした。