埼玉県内に住んでいた50代の女性が不法に占拠し、多数のネコを飼っていた気仙沼市唐桑町の災害公営住宅で21日、仙台地裁気仙沼支部の執行官が建物を明け渡しさせる強制執行をした。県住宅課によると、東日本大震災の災害公営住宅での強制執行は初めて。

 午前10時すぎに執行官3人と市職員ら計約20人が建物の中に入り、家具や電化製品など4トントラック1台分を次々に運び出した。

 4月、執行官の判断で室内のネコ十数匹を保護。その後、新たに見つかった1匹も21日、市職員がケースに入れて運んだ。

 女性は住宅で1人暮らしをしていた母親が2018年6月に死亡した後も、住宅を使用する権利がないのに、自分の荷物やペットのネコを残したまま立ち退きに応じなかった。

 市は明け渡しなどを求めて18年12月に提訴。仙台地裁気仙沼支部は19年3月、市の請求通り、明け渡しと支払いを命じる判決を言い渡した。判決確定前に退去を強制できることも認められたため、悪臭が出る夏の前に強制執行した。

 菅原茂市長は21日の定例会見で「付近の住民が不快を感じていたと聞く。時間はかかったが、強制執行に踏み切った」と話した。