日本協会・田嶋幸三会長に聞く/本番は10試合 感謝の念世界に発信

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長(61)が仙台市内で河北新報社のインタビューに答えた。6月9日に宮城スタジアム(宮城県利府町)である日本代表のエルサルバドル戦が「2020年東京五輪のプレ大会になる」と強調。東京電力福島第1原発事故を受けて静岡に拠点を移していたJFAアカデミー福島への帰還に対する思いを語った。(聞き手はスポーツ部・剣持雄治)

 -五輪開催まで1年余り、宮城スタジアムでの代表戦となった。
 「五輪仕様のセキュリティーなど通常のサッカーの試合とは異なる部分はあるが、まずはスタジアムを満員にした上で、どんな問題が起こるのか検証したい。いい運営をして来年への準備としたい」
 -五輪で宮城スタジアムは男女10試合が予定されている。
 「東日本大震災の被災地で試合をするのがわれわれの願いだった。復興五輪として、世界に向けて感謝の思いを伝えたい」
 -Jヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)が4月に全面再開し、震災10年の節目の21年にJFAアカデミー福島が静岡から帰還する。
 「Jヴィレッジの再開と地域住民が安心して生活できることが戻る条件だった。戻るというより一からやり直す決意だ」
 「福島には風評被害がある。ユース世代の大会をJヴィレッジで開き、子供たちに笑顔が戻るのが地域の復興に良い影響を与えるはずだ」
 -16年の会長就任後、育成年代の強化に力を入れてきた。東北のサッカーをどう評価するか。
 「1月の全国高校サッカー選手権で青森山田が2度目の頂点に立ち、雪国であることをハンディとは捉えない姿を示してくれた。女子なら常盤木学園高(仙台市)が刺激を与えてくれている。絶対にタレントはいる。東北は伸びる余地がある」

[たしま・こうぞう]1957年、熊本県生まれ。埼玉・浦和南高、筑波大で全国制覇を経験。80年に古河電工(現J2千葉)入りし、日本代表でもプレーした。U-16、17、19の日本代表監督を務めたほか、日本協会の技術委員長などを歴任。国際サッカー連盟理事、日本オリンピック委員会常務理事なども務める。16年3月から現職。