店頭にベガルタ戦士の笑顔の写真が並ぶ。両手で差し出しているのは、おかずぎっしりの弁当。多彩な品に目移りしてしまう。JR仙台駅の駅弁の調製元で、1920年創業の老舗「こばやし」が手掛ける選手プロデュース弁当(800円)。選手の好物を詰めたサポーター必食の逸品だ。
 全10種類あり、店頭ではうち7、8種を日替わりで販売する。宮城県産の「ひとめぼれ」のご飯を基本に、担当者が選手に好みをリサーチしてメニューを決めた。ケータリング営業課長の天野克也さん(44)は「希望に基づき、弁当に向いた料理かどうか話し合って決めます。細かく注文する選手もいますね」と開発秘話を語る。
 さて、どれにしようか。エース石原直はかわいらしく目玉焼きや唐揚げ。若きストライカーのジャーメインはがっつり系の豚ロースのバーベキュー。中盤で頭脳プレーが光る21歳の椎橋は渋めなアサリ飯。日本代表GKのシュミットは鶏肉に野菜と健康志向。選手の個性が表れて興味深い。
 一番人気の長沢の弁当をいただく。ご飯の上に柔らかい牛タン3枚が鎮座し、鳥そぼろと焼き鳥が脇を固める。新加入で早速、仙台名物を取り上げる人柄の良さがうかがえ、添えられた青唐辛子のみそ漬けのせいか涙が出そう。192センチの長身アタッカーをイメージした縦型の容器も心憎い。
 「今後も選手を増やし、サポーターに新しい味を楽しんでほしい」と天野さん。おいしく味わい、試合に臨む選手と一体感を高めよう。