21日投開票の参院選秋田選挙区(改選数1)で、元衆院議員の村岡敏英氏(58)が、公示の4日朝に自民党現職の中泉松司候補(40)への支援を表明し、選挙戦に波紋を広げている。9年前に自民を離党し、2017年衆院選秋田3区では自民候補に敗れた村岡氏。中泉氏陣営は「心強い」と歓迎し、野党統一候補の無所属新人寺田静候補(44)の陣営は「村岡氏の地盤の県南は厳しい戦いになる」と警戒感を強める。

 「保守系無所属の村岡敏英です。やっと中泉さんの出陣式に間に合った」

■表情晴れ晴れ

 公示の4日、秋田市中心部で開かれた中泉候補の出陣式。自民の県選出国会議員と佐竹敬久知事らが見守る中、村岡氏は晴れ晴れとした表情で約400人の聴衆に全力支援を約束した。
 この2日前に急きょ記者会見を開き、基本姿勢の異なる共産党が支持する寺田候補を応援できないと表明していた。会見では中泉候補を支援するかどうかには触れなかった。公示の前日に支援を決断したという。
 由利本荘市を拠点とする村岡氏は、秋田3区に後援会組織を張り巡らす。17年衆院選は約9万3000票を獲得した。
 秋田での国政選挙は10年以降、自民の連戦連勝。だが今回は秋田市が候補地とされた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡る問題が逆風になり、自民県連は「激戦区中の激戦区だ」と危機感を抱く。
 こうした中での支援表明に、中泉氏陣営は「県南で一定の支持層を持つ助っ人は心強い」と喜ぶ。
 ただし衆院選で自民の御法川信英衆院議員と長年争ってきただけに「『何でライバルと組むのか』という不満も出てくる。村岡氏の一部支持者は離れるのでは」との懸念ものぞかせる。

■前回と正反対

 中泉候補の支援を明言している佐竹知事は「村岡氏は元々は保守本流の人。地元支持者の多くは自民党員だ」と指摘し、保守回帰の動きを当然視する。
 16年の前回参院選で旧民進党衆院議員(比例東北)だった村岡氏は共産、社民が推薦する民進候補を支援した。正反対となる今回の突然の態度表明に、寺田候補を推す野党側は困惑する。
 各党は県連レベルでの支持・支援にとどめ政党色を薄めており、野党の県連幹部は「無所属の村岡氏でも支援に加わりやすかったはずだ」と残念がる。連合秋田は「影響を図りかねているが、今は目の前の選挙を頑張るだけ」とのみ語る。

【秋田選挙区立候補者】(1―3)
中泉 松司40 自現(1)(公推)
寺田  静44 無新 
石岡 隆治45 諸新