地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡り、防衛省は28日、配備候補地としてきた秋田市の陸上自衛隊新屋演習場以外への配備が可能かを検討する再調査の具体的内容を、秋田県と同市に説明した。

 調査を外部委託する一方、対象とする青森と山形の国有地について防衛省側は「予備的な位置付け」と発言。「新屋ありき」につながる姿勢だとして県と市からは疑問の声が挙がった。

 山野徹審議官と熊谷昌司東北防衛局長が、県庁で堀井啓一副知事らと会談。山野審議官は冒頭、5月に公表した調査結果に関し「資料の誤った記載、説明会での緊張感を欠いた行為など極めて不適切な対応があった」と改めて頭を下げた。

 再調査は秋田、青森、山形3県の国有地と陸自弘前演習場と新屋の計20カ所で行う。標高や山までの距離を踏まえたレーダーの照射角度(仰角)などを算出。インフラ整備や津波対策に必要なコストも検討する。

 新屋では、レーダーを住宅地から隔離するため、演習場西側の県有地取得と県道付け替えにかかる費用や工期も調べる。調査期間は約6カ月半を見込み、9月にも業者選定の入札を公告する。結果は外部の専門家に再検証してもらう。

 山野審議官は秋田への配備で国内を効果的に防護できるとし、「青森と山形は予備的な位置付けになる」との考えを示した。

 堀井副知事は会談後の取材に「秋田への配備が望ましいと言うが、明確な根拠を示してほしい。調査の全容が示されておらず、評価できない」と述べた。

 秋田市役所で面会した穂積志市長は「選定自体をゼロベースでやることを要望している。住宅地からの距離も調査の評価基準に入れないと『新屋ありき』は払拭(ふっしょく)できない」と注文。山野審議官は「評価の仕方は検討中だが住宅への距離は重要な要素になる」と答えた。

 「予備的」という言葉の真意について、山野審議官は取材に「調査は公平に行うが秋田、山口両県への配備が防衛上最も効率的との考えは変わらないということだ」と話した。