湯沢雄勝広域市町村圏組合(湯沢市)の「湯沢雄勝ふるさと市町村圏基金」が2004年度から15年間、運用ルールに反した状態が続いていることが分かった。同基金のうち秋田県の補助金分は取り崩してはいけない約束なのに、2820万円が取り崩されたままだった。県市町村課も見逃し、チェック機能が働かなかった。

 組合や県などによると、同基金は1989、90の両年度、組合に参加する市町村の出資金9億円と県の補助金1億円の計10億円でつくられた。当時の県の通知文書には「交付条件」として補助金分は「解散時以外には処分できない」とある。

 組合は2004年度、消防指令センター整備に充てるため、県との協議を経て市町村出資分の一部2億5380万円と県補助分の一部2820万円を取り崩した。

 その後、組合は新消防庁舎の建設を計画。18年3月に県に再度の取り崩しを相談すると「県補助金分はできない」と言われ、04年度の取り崩しも違反と指摘された。

 対応策として、組合を構成する湯沢市、羽後町、東成瀬村は、市町村出資分から補填(ほてん)し違反状態を解消する方針を決定。出資分の一部を放棄する関連議案を各市町村の9月議会に提出する。04年度に取り崩した2820万円を穴埋めし、県補助金1億円分を回復させる。

 04年度に県補助金を取り崩した際の協議内容はよく分かっていない。県市町村課の坂本雅和課長は「食い違い、解釈の違いがあった」とみている。毎年度末に基金残高の総額の報告を受けていたが残高の内訳は把握してこなかったという。

 市町村圏組合の福土英明総務財政課長は「確認作業を怠った。組合として責任を感じている」と話した。

[湯沢雄勝ふるさと市町村圏基金]2005年の湯沢市合併前の旧4市町村(湯沢市、雄勝町、稲川町、皆瀬村)と秋田県雄勝郡の羽後町、東成瀬村の出資金と県補助金で設立された。運用益でソフト事業を実施する計画だったが金利の低下で困難となり、一部を取り崩してハード事業に充てている。18年度末の残高は7億4382万円。