「八竜メロン」の名で知られ、かつては東北を代表する産地だった秋田県三種町八竜地区のメロンの作付面積が激減し、風前のともしびとも言えそうな危機にさらされている。ピーク時の昭和の終わりには約330ヘクタールあったが、本年度は約8ヘクタールと2%余りにしぼんだ。メロン作りは機械化が難しいことなどから縮小が進んだとみられ、東北の他の産地も減少傾向を見せる。

 八竜地区の作付面積の推移はグラフの通り。昭和末期の1988年度ごろがピークだった。平成に入ると急降下。2003年度に50ヘクタールを割り込んだ。歯止めはかからず18年度は10ヘクタールも下回った。

 管轄する秋田やまもと農協によると、ピーク時は生産者も300人以上いたが今は約60人という。

 檜森保雄さん(69)は同地区で40年近くメロン作りを続ける。1990年代は約130アールの作付けがあったが、現在は4分の1ほどに減らした。「作るのに手間がかかる上に最近は売れなくなっている」と嘆く。

 生産現場は高齢化が進み、後継者難にも直面する。関係者は「メロンの収穫や受粉は機械化が難しく、若手にとって着手しにくい品種かもしれない」との見方を示す。

 三種町は2006年に八竜、琴丘、山本の3町が合併して誕生。日本海に面した旧八竜町はメロン作りが特に盛んだった。その歴史は現在ある温泉施設「砂丘温泉 ゆめろん」の名前などからも伝わってくる。

 八竜の南隣の男鹿市若美地区もメロン作りに力を入れ、本年度は約19ヘクタールで栽培する。現在の秋田県最大の産地だ。「秋田美人メロン」などの生産を手掛ける。

 若美でも生産面積は微減傾向にある。管轄の秋田なまはげ農協によると16年度までは宮城、岩手両県などに出荷していた。しかし最近は県外に出す分を確保できなくなっているという。

 庄内地区を中心にメロン生産が盛んな山形県も、減少傾向が続く。本年度の県内の作付面積は約230ヘクタール。20~30年前は倍以上あったと関係者は説明する。

 メロン栽培を取り巻くこうした難しい状況を踏まえ、三種町は14年7月からメロンの種の購入費の一部を農家に補助するなど対策を講じている。

 全農あきたの担当者は「メロンは秋田の特産品の一つ。生産量が落ちているのは残念だ。生産者を大幅に増やすのは難しいが、最低でも維持はしないといけない」と危機感を募らせる。