東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県双葉町の両竹地区で2日、野菜の出荷制限解除に向けた試験栽培が始まった。町は同地区などで来春の避難指示先行解除を計画中。県などはデータを得て安全性を確認し、生産再開への一歩とする考えだ。

 町内での野菜作付けは事故後初となる。東日本大震災で津波被害を受けた同地区で農地の管理する町農地保全管理組合の5人が県の要請で作業。県や町の職員と共に3カ所の畑、計約6アールで、キャベツやホウレンソウなど5品目の苗や種を植えた。

 データ採取が目的で、作物は流通させない。収穫後に県が放射性セシウム濃度が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を十分下回るかどうか確認し、出荷制限解除を国と調整する。町は避難指示先行解除に合わせた解除を目指している。

 出荷制限の対象は、葉物野菜とブロッコリーなどアブラナ科花蕾(からい)類と、カブ。県内では、帰還困難区域を除くと両竹地区を含む同町の避難指示解除準備区域だけ制限されている。

 沢上栄組合長は「良いデータを収集できて、町の農業再生が次の段階に進むといい」と期待した。町は水稲の試験栽培も検討中だが用水などを確保できず、めどは立っていない。