実りの秋。仙台市沿岸部の水田地帯が黄金色に染まる。東日本大震災の津波被害から再生し、今年も稲穂が豊かにこうべを垂れる。

 宮城野区岡田地区では今月末にかけて稲刈りが本格化する。農事組合法人「新浜協業組合」は25ヘクタールで「ひとめぼれ」「つや姫」を生産。天候を読み、稲を確かめ、収穫の時を探る。災禍を乗り越え、2014年に営農を再開し、耕作地は震災前の約9割に回復した。

 「年を追うごとに以前のような田園風景が戻ってきている」と語る平山尚組合長(80)。「今年は7月に梅雨寒、8月に猛暑があったものの、稲は平年並みに育っている。コメの出来も上々だろう」と期待する。

 震災後、市沿岸部に整備された「東部復興道路」は10月19日に全線開通する。高さ約6メートルのかさ上げ道路で、津波の多重防御の要となる。命の源に築かれた命の道が復興を象徴する。