初代韓国統監の伊藤博文を1909年に暗殺し、死刑となった韓国の独立運動家安重根と、その看守だった千葉十七をしのぶ第39回合同法要が22日、栗原市若柳の大林寺であった。日韓両国から約130人が参列し、東洋の平和を願った2人の冥福を祈り、悪化の一途をたどる両国の政治情勢に惑わされず、民間交流を続けることを確認した。

 合同法要は、住民有志と在日韓国人らが千葉の菩提(ぼだい)寺の大林寺に2人の顕彰碑を建立した81年から続く。

 今年は韓国から11人が参列した。訪問団団長の金漢克さん(84)は「政治による両国関係の悪化はあってはならないこと。国民同士の親密な交流で困難を乗り越えたい」と話した。

 千葉の親族の栗原市栗駒、農業千葉政一さん(66)は「十七は今よりも厳しい状況下で(安と)信じ合った。政治がこんな状況だからこそ、2人の気持ちを大切にすべきだ」と語った。

 韓国からの訪問団は、両国関係悪化の影響で例年より10人ほど少なかった。しかし、関係改善を願う地元住民、国内の在日韓国人らが多数訪れ、全体の参列者は昨年よりも3割増えた。

 大林寺住職の斎藤泰彦さん(84)は「関係がぎくしゃくしているからこそ民間交流を続ける必要がある」と訴える。

 安は09年、旧満州のハルビン駅で伊藤博文を暗殺。栗原市出身の千葉は収監中に看守として接し、安の東洋平和の思想や見識、人格に敬意を抱くようになり厚遇した。

 安は処刑前、「韓日友好がよみがえったとき、生まれ変わってお会いしたい」と告げ、千葉も両国の友好を願う日々を生涯送ったという。