ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の観客に東日本大震災の教訓を伝えようと、フィジー対ウルグアイ戦が行われる釜石市の釜石鵜住居復興スタジアム周辺で25日、市内の高校生3人が語り部に挑戦する。

 語り部を務めるのは釜石高3年の野呂文香(あやか)さん(18)、洞口留伊(るい)さん(17)、佐々木千芽(ゆきめ)さん(17)。野呂さんは「世界の人に支援への感謝を伝えるとともに、震災で何が起きたのか知ってもらいたい」と話す。

 スタジアムは津波で全壊した小中学校の跡地に建つ。21日にはスタジアムにある祈念碑の由来を、小学校職員だった妻を震災で亡くした釜石市の木村正明さん(63)に学んだ。

 「人は自然災害に勝てない。逃げる大切さを世界に発信してほしい」と訴える木村さん。洞口さんは「一人でも多く全身全霊で語り掛けたい」と誓い、佐々木さんは「避難所生活や仮設校舎の様子も説明したい」と決意を語った。

 試合当日の語り部活動には釜石観光ガイド会なども加わる。スタジアムに近い市の伝承施設「いのちをつなぐ未来館」周辺では別の高校生グループが、震災について日本語と英語で説明文を付した伝承うちわを配布する。