台風19号で被災した自治体で、復旧作業を支える災害ボランティアの受け入れが本格化している。全国社会福祉協議会によると16日現在、東北では岩手、宮城、福島、山形4県の31市町村社協がセンターを開設または準備中。家屋の片付けや泥かきには多くの人手が必要で、専門家は衛生面に注意して作業するよう呼び掛ける。

 吉田川の堤防決壊で広範に浸水した宮城県大郷町には17日、町文化会館に災害ボランティアセンターが開設された。初日は秋田、山形両県などから57人が集まり、民家や施設にたまった泥をかき出した。

 浸水した放課後等デイサービス施設「めるくまーる粕川みらい」(大郷町粕川)では、休校中の地元中学生も作業を手伝った。大郷中1年の平間華恋(かれん)さん(13)は「思った以上に大変な状況」、岩佐心優(みゆ)さん(12)は「少しでも早く片付けたい」と話した。

 施設を運営する児玉幸司さん(49)は「この場所で再開したいので、大変ありがたい」と感謝する。

 作業には衛生対策も欠かせない。東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染症学)によると、留意点は図の通り。汚泥や泥水には細菌が多く含まれ、破傷風などの感染症の予防策が大切だという。

 賀来氏は「川の水は海水以上にリスクが高い。細菌やカビは乾燥状態に弱いので、片付け後はしっかり乾かすといい」と説明。「体調が悪いときは無理せず、発熱や下痢、口が開きにくいなどの症状がある場合は早めに受診してほしい」と促している。

 東北から関東、中部にかけて広範囲が被災し、ボランティアが思うように集まらない可能性もある。100棟以上の建物被害があった岩手県普代村では17日に受け入れを開始し、初日は十数人が泥かき作業などに当たった。

 村社協の担当者は「まずは泥かき支援のニーズが高いので多くの人手が必要だ」と期待する。伊達市も当初は募集対象を市内と近郊に限定していたが、人数が足りず募集対象を広げることも検討している。