東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に損害賠償を求めた訴訟で原告勝訴が確定したことを受け、市と県は損害賠償金と遅延損害金計約20億円超を県が一時的に立て替え、市が来年度から10年をかけて返済する覚書を取り交わした。県は29日、原告団に支払う。

 締結は25日付。県は立て替え金約20億5700万円を財政調整基金から繰り入れる補正予算を編成し、専決処分した。

 市によると、20日の市議会臨時会で全額市の負担とする市と県の合意や返済方法に異論が出たことを考慮し、覚書の弾力的な運用を可能にする緩和事項を盛り込んだ。大規模災害など不測の事態が生じた場合、両者は再協議する。

 覚書締結に当たり、市は津波訴訟に詳しい弁護士2人の意見を聴取。市が全額負担する根拠とされた最高裁判例の解釈を覆すのは困難と判断した。