政府は2日、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)の改定案を公表した。最難関とされる溶融核燃料(デブリ)を試験的に取り出す初号機を、2号機とする方針を正式に明記。2031年までに全号機の使用済み核燃料プールの燃料を搬出する目標も初めて盛り込んだ。

 デブリ取り出しは、政府に廃炉の技術的提言をする原子力損害賠償・廃炉等支援機構が9月にまとめた廃炉戦略プランの内容を踏襲。2号機は作業現場の空間放射線量が1、3号機に比べて低く、2月の内部調査でデブリとみられる堆積物を動かせたことから初号機として適切と判断した。

 作業開始は21年。当初はアーム型アクセス装置でつかんだり吸い上げたりして少しずつ行い、徐々に規模を広げる。取り出し後のデブリは構内の保管設備に移し、乾燥させた状態で金属容器に封入する「乾式」で貯蔵する。

 廃炉完了は事故から30~40年後とする従来の目標を維持した。その上で、21年から31年末までの約10年間で事故を起こした1~3号機と5、6号機建屋の燃料プールに残る使用済み燃料と新燃料計4741体を全て取り出すとした。

 原発の立地自治体に帰還した住民に配慮した廃炉方策も明記した。1号機は建屋上部に残るがれきの撤去前に、建屋上部に大型カバーを先行して設置するプランも検討。撤去後にカバーを設ける従来のプランに比べ、放射性物質を含むダストが飛散するリスクを抑えられるという。

 工程表は11年12月に策定され、改定は5回目。改定案は2日に官邸であった廃炉・汚染水対策チームの会合で示された。チーム長の梶山弘志経済産業相は「原発周辺でも住民帰還や復興が進む中、復興と廃炉の両立を大前提に対策を進める」と話した。