JR東日本は18日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で不通となっている福島県内の常磐線富岡(富岡町)-浪江(浪江町)間で試運転を始め、帰還困難区域内の双葉駅(双葉町)などで報道機関に公開した。来年3月の運転再開を目指す。

 20.8キロに及ぶ同区間のうち13.6キロ部分が帰還困難区域にある。初日は午前10時20分ごろ、5両編成の試運転車両が双葉駅構内にゆっくりとしたスピードで入った。2往復し、線路や信号、踏切など設備の異常の有無を確認した。試運転は19、20日も実施する。その後、乗務員の技術向上のため訓練運転を行う。

 同社は2016年3月から駅舎新築や線路補修などの復旧工事を進めてきた。不通区間内の夜ノ森駅(富岡町)と双葉駅では橋上化や東西自由通路の整備が行われ、新たな駅舎で営業再開する。大野駅(大熊町)は内外装の改修工事が続く。

 震災前は複線だった大野-双葉間は単線にし、上り線側の敷地に側道を設けて非常時の避難道としても活用する。

 震災と原発事故で被災した岩手、宮城、福島3県の鉄道で不通が続く最後の区間。不通区間の運転が再開されれば約9年ぶりの全線再開となる。富岡-浪江間の大半は帰還困難区域に位置するが、国は区間内の駅周辺の避難指示を先行解除する方針。

 同社水戸支社設備部の堀込順一部長は「長い年月がかかったが、全線運転再開に向け一つ前に進めた。お客さまに安心して利用してもらえるよう準備していく」と話した。