18、19日に迫った大学入試センター試験に向け、東北の受験生も追い込みに入った。来年スタートする大学入学共通テストの枠組みが揺れ、首都圏では志望校のランクを下げたり、アドミッション・オフィス(AO)や推薦入学に切り替えたりしようとする安全志向が見られる。一方、東北の受験生は、国公立大を軸とした志願動向に大きな変化は見られず「目の前の試験に集中する」などと冷静さが目立つ。

 宮城一高3年の女子生徒(18)は「今やるべきことをやるのみ。金沢大が第1志望だが、最終的にはセンター試験の結果を見て考える」と話す。大阪大志望の仙台一高3年の男子生徒(18)は「どんな試験であっても、やるべき勉強は同じ。入りたいと思う大学に挑戦したい」と意志の貫徹を誓う。

 3年生270人がセンター試験に臨む秋田高(秋田市)の柘植敏朗副校長は「生徒らは最後のセンターという事実に大きく左右されずに取り組んでいる」と話す。志望校や受験の動向は前年と変わらないという。

 東日本大震災の被災地、岩手県釜石市の釜石高は「経済的な事情などから元々現役志向が強い。例年と同じように淡々と努力していくのみだ」と強調。仙台三高(仙台市宮城野区)は志願状況に変化はないとしつつ「自己採点後に予備校から出される合格可能性を見て、強気の受験をする生徒は減る可能性はある」とみる。

 仙台育英高の千田芳文副校長は「ここ数年の私大入学者数の管理厳格化で、私大希望者の志望校選択は慎重になっている」と分析し「自宅から通えない進学の場合、家庭の負担が重く、奨学金を借りても返済があるため、地元志向は変わらない」と指摘する。

 大手予備校の河合塾によると、共通テスト導入を見据え、全国的には早めに入学を決めたい層が増加傾向にある。国公立、私立ともに推薦やAO入試の志願者が増えており、仙台市の公立高でも「地元の私大で決めたいとする生徒は若干増えた」という動きがある。

 仙台校の渡辺貴吉校舎長は「東北でも最上位校を除くと、現役生が弱気の傾向にある」と指摘。ただ、予定された英語の民間検定試験導入や国語と数学の記述式が見送られ、受験生の負担感は減ったとみている。

 「ここ数年のセンター試験は、資料を読ませるなど、共通テストを意識した出題になっている。培った知識と経験を生かし、適度な緊張感を持って戦ってほしい」とエールを送った。