山形大が同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)を3月末に閉鎖する方向で検討している問題で、センターの稼働実態を巡り、町と大学の認識が大きく食い違っていることが22日、関係者への取材で分かった。企業との共同研究の件数や進行状況について、町が正確な情報を得られていなかった可能性がある。

 町や大学の関係者によると、センター完成当初の2016年1月には自動車、ロボット関連など約20社が共同研究に参加していたが、昨年4月以降は最大でも5社程度に減っていた。学内の監査でも、本年度後半からほとんど稼働していないと評価されたという。

 一方、町は毎年3月、センター側から年度末時点での参加企業数を聴取。16~18年度末は33~44社で推移しているとの回答を受けていた。

 町の聞き取りはセンター整備で交付金を受けた国への報告が目的で、常に口頭で実施していた。参加する企業名や研究概要は企業秘密を理由に、センター側が明らかにしていなかった。

 町などによると、大学側から閉鎖に向けた検討状況を伝えられたのは昨年12月24日。後藤幸平町長が山形大小白川キャンパス(山形市)に小山清人学長を訪ねた際、小山学長がセンターに稼働実態がないことや、学生の研究に生かされていないことなどを理由に「3月末で閉鎖したい」という趣旨の発言をした。

 後藤町長は「大学から撤退したいという話は伺った。ただセンターの基盤は大学と町、山形銀行の3者連携。離脱するなら明確な機関決定の上で説明責任を果たすべきだ」と強調する。

 稼働実態については「町は施設を貸している立場で運営主体ではない。直接的に知る機会はない」と話している。

 センターは山形大が8億円、町が7億円を負担して整備。町が土地・建物を所有し、10年契約で同大に建物を年1000万円で貸している。