山形大が同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)を3月末に閉鎖する方向で検討している問題で、センター周辺に町主導で整備されたホテルや屋台村では22日、今後の集客がさらに難しくなるのではないかと懸念する声が上がった。

 ホテルと屋台村はともにセンター近くの田園地帯に立地。当初から町が想定した研究者らの利用は少なく、センターで共同研究に参加する企業の撤退が相次ぐ中、独自の経営努力で営業を続けているのが実情だという。

 2017年6月にオープンしたブティックホテル「SLOW VILLAGE」の関係者は「オープン以来、宿泊客に占めるセンター関係者の割合は10%にも満たない。町が描いていたような集客効果はほとんどない」と話す。

 ホテルは、町の公募に応じた運営会社が国、町の補助を受けて新設。町は「センター発展に伴い県内外から来客が増え、それに伴い宿泊需要も増えて十分ビジネスになる」と説明していたという。

 町は当初、研究センターの付属施設と位置付け、ホテル名を「飯豊寮」とする計画だったが、運営会社が「一般客にも広く利用してもらいたい」と反対し、変更した経緯がある。インテリアを充実させるなど、センター関係者の利用だけに依存しないことで一定の収益を確保してきた。

 ホテル東側に立つ屋台村「いいでら」は、町が約1800万円かけて整備し、18年4月に開業した。3店が入居し、昼の部と夜の部で営業を始めたが、現在、昼夜ともに営業を続けているのは1店のみで、センター関係者の利用はほとんどないという。

 ホテル関係者は「そもそも現実的でない構想を描いていた結果ではないか。正直言って期待外れだが、これでセンターが本当に閉鎖してしまったら今以上に状況が悪化しかねない」と心配している。