山林に囲まれたギャラリーとして美術ファンに親しまれている宮城県柴田町の「アートスペース無可有(むかう)の郷(さと)」で今月、開館15周年を記念した企画展が始まった。多くのギャラリーが集まる都市部ではなく、あえて自然豊かな田舎で運営を続けてきた。太田正孝代表(71)は「作家や遠方からの来場者との縁で15年も続けられた」と感謝する。

 無可有の郷は2004年7月、太田さんが実家を活用して海老穴地区にオープンした。10年に建物を新築し、カフェを併設。現在は県内外の美術家らによる個展を年に10回前後開いており、昨年7月に15周年を迎えた。

 太田さんは、ギャラリーを開館するまで隣接の村田町に穴窯を構え、陶芸家として活動してきた。多くの芸術関係者と交流を深める中で「作家の精魂込めた作品を紹介したい」と考えるようになり、無可有の郷を開いたという。

 ギャラリーの名称は「自然のままで作為もない理想郷」を意味し、中国の古典「荘子」から取った。来場には車が必須という不便さはあるが、自然と芸術が調和する空間が評判を呼び、ファンは着実に増えてきた。

 太田さんは「都会ではなく、自然の中にあるギャラリーは珍しいということで、作家も来場者も喜んでくれている」と話す。

 15周年の記念企画展には、これまで展示を行ったり、今後展示会を予定したりしている作家の作品を集めた。第1弾が19日に始まり、水彩画や鉛筆画、石絵、彫刻など作家8人の作品約30点が展示されている。

 現在開催中の展示は30日までで、8月に第2弾を予定している。午前10時半~午後5時。入場無料。連絡先は無可有の郷0224(56)3584。