東京五輪の聖火を東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地でともす「復興の火」は最終日の25日、福島県いわき市のアクアマリンパークで展示された。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、観覧者を密着させないといった対策を講じて実施。約3600人が集まり、被災地の再生などを願った。

 震災の津波で会場周辺は水族館「アクアマリンふくしま」を含め甚大な被害を受けた。聖火皿に点火した同市小名浜二中2年小松侑華さん(14)は「津波が押し寄せた小名浜もやっと火がともせる地になった。新型コロナで苦しみ、不安を感じる人に希望や勇気を与えられた」と話した。

 中止となった舞台を演出していた市内の舞踊家神永宰良さん(58)も、出演予定だったダンススクールの中学生らと共に会場を訪れた。

 自身のスタジオも津波で浸水。立ち上がる被災地の姿と世界への感謝を約300人のステージで発信するはずだった。「人間の力が試されている。復興五輪とは何かを考える時間ができたと考えたい」と述べた。

 市内を走る聖火ランナーだった同市四倉中2年渡辺陽瀬さん(14)は「聖火を手に走る日まで、元気ないわき市をアピールしたい思いを保ち続けたい」と力強く語った。