福島県郡山市逢瀬町の大久保川で2000年4月、同市大槻町のアルバイト山岸亜世美(あせみ)さん=当時(17)=が他殺体で見つかった殺人・死体遺棄事件は、同月2日の遺体発見から20年たった。父三朗さん(70)は「早く自首してほしい。なぜあの子が殺されたのか知りたい」と胸中を語った。

 亜世美さんは00年1月18日夕、家族に「ちょっと出掛けてくる」と言い残して外出。同年4月2日、結束バンドで手足などを縛られた状態で見つかった。

 現場は大きな岩がごろごろし、四輪駆動車でなければ立ち入れず、地元住民も足を踏み入れることが少ない場所だった。失踪する半月ほど前、年配らしい男から自宅に「娘さんを郡山駅で保護した」という不審電話が数回あったという。

 亜世美さんは3人きょうだいの長女。三朗さんらに叱られている妹と弟をかばう優しい姉だった。明るく活発で、中学校はソフトボール部に所属していた。中学卒業後、専門学校に進学。手先が器用で、電卓を使わせると素早いキーさばきで家族を驚かせた。

 時が流れ、三朗さんは次女の孫2人を小学校へ送り迎えする毎日。亜世美さんは生きていれば今月19日で38歳になる。孫の成長を見るたび、亜世美さんも温かい家庭を築けていたかもしれないと悔やむ。

 「正義感が強い子だった。誰かをかばったりして、知らない間に恨みを買ったのかもしれない」

 県警は延べ3万人を超える捜査員を投入し、知人らを中心に2万8000世帯に聞き込みをするなど捜査を継続しているが、容疑者の特定には至っていない。

 郡山署によると、情報提供は年々減少傾向にある。連絡先は同署024(922)2800。