福島県本宮市の保健福祉施設「えぽか」で市職員5人が新型コロナウイルスに感染し、県内3例目のクラスター(感染者集団)となった。二本松市の二本松郵便局を起点にクラスターの「連鎖」が起きたとみられ、感染が容易に広がる実態が改めて浮き彫りになった。

 えぽかには子育てや介護支援の担当課のほか、市社会福祉協議会も入居する。感染した市職員は40代男性、50代男性、50代女性2人、60代女性の計5人。9日に最初に感染が判明した50代女性の同居の夫が、二本松郵便局で感染した職員ら10人のうちの1人だった。

 本宮市は1日から全職員にマスク着用を義務付け、6日以降は1時間おきに換気もしていたが、感染拡大を防げなかった。

 高松義行市長は5人目の陽性が判明した20日の記者会見で、感染した職員の1人が「ずっと気を付けていたのに、なぜ陽性になったか分からない」と話したことを明らかにした。

 クラスターが連鎖すると感染者はもとより濃厚接触者なども膨れ上がり、病院や保健所の負担が増す。えぽかの場合、濃厚接触者は市職員だけで37人。家族などを含めると、さらに多くなる。二本松郵便局では職員ら170人が健康観察の対象となった。

 県は21日までに、無症状も含むえぽかの濃厚接触者37人全員にPCR検査を実施した。二本松郵便局の濃厚接触者は発熱など何らかの症状がある場合に検査しており、対応が分かれた。

 県保健福祉部は「えぽかは医療・福祉関係の施設で職員が乳児や高齢者と身近に接するため、再開前に全員の陰性を確認した」と説明する。市は22日、えぽかでの業務を再開する。

 県感染症対策アドバイザーの金光敬二県立医大教授は「PCR検査は以前は中国からの帰国者などに限定されていたが、現在はケース・バイ・ケースだ」と指摘。無症状でも、同居家族が全員発症した場合は同時に検査をするといった例を挙げた。

 県内では、いわき市のエーピーアイコーポレーションいわき工場でも6人のクラスターが発生している。