防衛省が陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)への地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備を断念する方針を固めたことに関し、秋田県内では7日、地元に説明がない不確定な状況への不満と、新たな候補地が引き続き県内から選ばれかねない事態に対する懸念が交錯した。

 佐竹敬久知事は「当事者である県に連絡がなく、国防の機密が漏れている。ますます不信感を抱かざるを得ない」と憤った。新たな候補地の選定についても「防衛省から何か言われない限り答えられない」と述べるにとどめた。

 穂積志秋田市長は「防衛省が(新屋演習場は)適地でないと判断し、取り下げることが最良の選択だと思っている。国の動向を注視していく」と話した。

 佐竹知事と穂積市長は1月、河野太郎防衛相に新屋演習場が住宅地と近いことなどを理由に配備は受け入れられないと伝えた。2月には自民党県連が菅義偉官房長官と河野氏に配備は困難だと申し入れた。

 自民県連副会長の鶴田有司県議は「正式な通知はないが、新屋への配備断念は当然だ」と受け止める。「県民の理解が得られるよう、防衛省はしっかり再調査してほしい。候補地についての議論はそれからだ」と注文を付けた。

 「県と市に連絡がないとのことで、まだ疑心暗鬼だ」と話すのは演習場周辺の16町内会でつくる新屋勝平地区振興会の五十嵐正弘副会長(72)。「新屋配備が撤回されればうれしいが、候補地となるかもしれない他地域の住民の心情を思うと複雑だ」と打ち明けた。