新型コロナウイルス感染症の軽症者と無症状者を受け入れる宿泊施設を巡り、山形県が借り上げた3カ所の施設名を正式発表せず、地域で不安の声が上がっている。うち2カ所は施設側が自ら明らかにした。国が都道府県に丁寧な説明を求める中、県は「いずれ公表する」との姿勢を崩さない。

 県は4月28日、村山地方2カ所、庄内地方1カ所で宿泊施設の準備を進めていることを明らかにした。ホテルイン酒田駅前(山形県酒田市)が今月2日、自社のホームページ(HP)で県の借り上げを公表。ホテルルートイン天童(同県天童市)も1日に自社HPで発表したが、「県と調整不足だった」として7日に削除した。

 ホテルイン酒田駅前の周辺では、県や酒田市の説明がないことを不安がる市民もいる。50代男性は「必要性は当然理解するが、安全対策など説明の場は設けてほしい」と話す。

 国のマニュアルでは、県などが宿泊施設を決めた段階で、周辺住民や近隣企業に対して市町村と協力して感染拡大防止策を丁寧に説明、理解を求めるなどの調整が必要としている。

 丸山至酒田市長は7日の定例記者会見で「県に説明の機会を設けてほしいとお願いしている」と述べた。県医療政策課の担当者は「担当スタッフの訓練を終えたら地元に説明し、その後、施設名を正式に公表する」と語った。