日本原燃の使用済み核燃料再処理工場が新規制基準の適合性審査に事実上「合格」したことに関し、原子力規制委員会の更田豊志委員長は13日の記者会見で「前例がなく、手探りだった」と審査が長期化した理由を述べた。一問一答は次の通り。

 -6年4カ月の審査を終えた所感は。

 「率直に長かった。度重なるトラブルで審査が中断した。自然ハザードや航空機落下の対策もあり、1年前にようやく軌道に乗った。確認すべき設備や建屋の数が多いことも影響した」

 -長期化の要因は。

 「原子力発電施設と違って前例がなく、同業他社もない原燃にとって厳しい環境だった。原子力規制庁や規制委も再処理施設の重大事故をどう捉えるか手探りの部分があった。審査する側とされる側で共通理解をつくるのに時間を要した」

 -経済産業相に、エネルギー基本計画との整合性を問う意見聴取をした。

 「再処理施設は規制委にとって初めての判断。再処理施設は国の計画に沿った事業なのか、改めて整合性を確認した」

 -施設が稼働すれば放射性物質が放出される。

 「トリチウムの管理目標値は、東京電力福島第1原発事故の処理水よりも高い。ただ、地元住民への健康影響を懸念しなければならないレベルではない」

 -新型コロナウイルスの感染拡大で一般傍聴ができない中での判断となった。

 「審査書案が整ったのに、寝かしておくのはふさわしくない。これまでの審査会合は公開しており、透明性は確保できている」

◎意義がある判断/東京工業大の奈良林直特任教授(原子炉工学)の話

 非常に意義がある判断だ。全国の原発には使用済み核燃料がたまっている。今後、脱原発に向かうにしても原発を使い続けるにしても、いずれ再処理は必要。再利用可能な物質を取り出すことで、最終処分量の減量と期間の短縮につながる。本格運転に向け熟練者から若手への技術伝承が課題。焦らず、着実に取り組むことが重要だ。

◎現状で必要なし/日本科学者会議原子力問題研究委員会の岩井孝委員長の話

 再処理工場は原発よりはるかに危険で、現状では必要ない。原発からの使用済み核燃料の運び出し先にはなるだろうが、工場を稼働するより各原発で乾式貯蔵する方が安全だ。核燃料サイクルは高速増殖炉と再処理工場とがセットで稼働することが必要だったが、もんじゅの廃炉で実現性は極めて低い。政策転換が不可欠だ。