東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域の特定復興再生拠点区域にある福島県大熊町下野上地区の水田で22日、コメの試験栽培が始まった。帰還困難区域での営農目的の栽培は初めて。

 同地区の水田9アールに町職員、町農業委員会のメンバーら計15人がコシヒカリの苗を田植え機や手で植えた。除染効果の確認が目的で食用にはしない。

 収穫したコメの放射性セシウムが国の基準(1キログラム当たり100ベクレル)を下回れば食用の実証栽培に移行。同地区は今年3月に立ち入り規制が緩和され、日中の出入りが自由になった。

 22日は昨年4月に避難解除された大川原地区でも16アールで2年目の食用実証栽培が始まり、新たに43アールに酒米「五百万石」の苗も植えられた。

 町は3年間の実証栽培の結果を踏まえ、営農再開に向けたマニュアルを作成する計画。酒米は原発事故で役場が避難した会津若松市の酒造会社と連携し、特産品としての日本酒造りに取り組む。

 町農業委の根本友子会長は「農業の復興は担い手不足も課題だが、町民の営農再開の励みになる結果を出したい」と話した。