新型コロナウイルス特措法に基づく政府の緊急事態宣言が全国で解除された25日、東北各県の知事は県境をまたぐ往来自粛など移動の制限を緩める方向性に一定の理解を示した。その半面で気の緩みを警戒し、「3密」の回避や「新しい生活様式」の徹底を改めて強調。現在も新規感染者が確認されている首都圏や北海道との往来には、慎重な意見が出た。

 宮城県の村井嘉浩知事は同日の定例記者会見で「やっと落ち着いてきたという思いがある」と受け止めた。関東などで感染者が2桁判明する日もあり、「油断できない。政府方針を精査したい」と気を引き締めた。県は26日の対策本部会議で今後の対策を決める。

 「段階的に緩和していく方向になる」。感染者が全国で唯一確認されていない岩手県の達増拓也知事は25日夕、報道陣に県民の移動の在り方などを見直す方針を表明した。停滞する観光振興策として「まずは県内から始め、県外と行き来も進める」と述べた。

 事業者への休業要請を東北で最後となる15日まで続けるなど、慎重姿勢を堅持する福島県。内堀雅雄知事はマスク着用など新しい生活様式の定着を前提に、移動自粛の要請を段階的に進めるべきだと指摘した。

 患者が比較的多い関東に隣接する地理的要件から、感染の第2波を警戒する。「他県への移動がずっと駄目だと言うのは難しいが、いきなり元通りで大丈夫かとの論点もある。慎重に検討する」と言葉を選んだ。

 5都道県との行き来を巡って「感染ゼロでなければ注意は必要。6月下旬まで自粛すべきだ」とくぎを刺したのは秋田県の佐竹敬久知事。宣言解除の妥当性は「あと2週間くらい観察が必要。もう少し様子を見ないと分からない」と注意を促した。