新型コロナウイルス感染症の収束を願い、山形県南陽市の熊野大社は1日、「悪疫除」などと書かれたお札2種類の頒布を始める。お札の図柄の基になった版木は江戸時代後期の作とされ、大社の職員が昨年末に境内で発見。新型コロナの影響拡大を受け、人々の不安を和らげようと復刻した。

 お札は縦18センチ、横6センチ。「悪疫除」の文字や平安時代に流行した疫病を鎮めたという伝説の僧「元三(がんさん)大師」の姿などが描かれ、疫病を鎮める御利益があるとされる。

 同大社は昨年春、境内にある考古館の改修を始めた。職員が館内の文化財を整理した昨年末、お札の基となる版木2点を見つけた。大きさはいずれも縦約30センチ、横約10センチ。

 版木には「宮内蟻王山(みやうちぎおうさん)」や「熊野山台林院(たいりんいん)執事」など製作当時の頒布元が記されている。関係者によると、ともに明治時代の神仏分離令前の名称で、神仏習合時代の史料として貴重だという。

 権禰宜(ごんねぎ)の北野淑人さん(38)は「今は不安を抱えている人が多いと思う。お札を張り、安心につながればうれしい」と話す。

 お札は各500円。版木の図柄を基にしたお守りや御朱印もある。希望者にお札、お守りを郵送する。郵送代は各自負担。連絡先は熊野大社0238(47)7777。