担い手不足が深刻な中山間地域で農作業の省力化を図ろうと、岩手県北上市和賀町の水田で最先端の自動田植えロボットを使った実証実験が進められている。本年度から2年かけ、少人数でも持続可能で効率的な農業の構築を模索する。

 農林水産省のスマート農業実証プロジェクトの一環で、実施主体は北上市中山間地域スマート農業コンソーシアム。県と市、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の東北農業研究センター(盛岡市)、生産者の西部開発農産(北上市)などで構成している。

 田植えロボットは農研機構が昨年開発。まずは人が乗って水田の外周に苗を植え付ける。その後、人工知能(AI)が地形を読み取って田植えレーンを生成し、自動運転で苗を植え付けていく。

 半径約2センチの精度で位置情報を取得する衛星利用測位システム(GPS)が搭載され、無人でも真っすぐ苗を植えられるという。

 センターによると、中山間地域は棚田が多く農地面積が狭いため、生産効率が悪い。細かい手作業に時間がかかり、人手がさらに必要となるなど平地に比べ不利な条件が重なっている。

 実験が進む北上市ではピークの1970年に7612戸あった農家数が、2015年に3883戸まで減少。西部開発農産への農地集積が進んでおり、限られた人材で農業を支えるため、効率化や省力化の必要性に迫られている。

 センターの長坂善禎作業技術グループ長(52)は「困っている中山間地域は全国に数多くある。実証実験で高能率だという結果を示し、今後の農業の手本にしたい」と強調する。