岩手県紫波町の紫波二中(生徒119人)は25日、東日本大震災の復興教育の一環としてビデオ通話による遠隔授業を行った。震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」(釜石市)の職員で語り部の菊池のどかさん(24)が、3年生55人に被災時の様子や復興の過程を説明した。

 3年生は7月に未来館への訪問を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で取りやめとなり、遠隔授業に切り替えた。

 菊池さんは、釜石東中3年の時に被災し、隣接する鵜住居小の児童と一緒に避難した経験を紹介。「津波が黒い壁となって押し寄せ、死にたくなくて必死に逃げた。怖くて落ち着かなかった」と語った。

 盛岡市の大学に進学したが、釜石で防災の大切さを伝えたいと決意。卒業後に同館職員となった経緯も話した。多くの児童生徒が助かった「釜石の出来事」についての質問には「自分たちは今までの教えの通りに逃げた」と答え、伝承の大切さを伝えた。

 吉田碧里(あかり)さん(14)は「実際に沿岸で経験した人から、震災の恐ろしさを詳しく学ぶことができてよかった」と話した。